今年も行います!T-POP・タイポップ・タイポップス 2023年の個人的まとめ!全5回の第5本目、最終号です。
▶ 1本目 (#1~10)
▶ 2本目 (#11~20)
▶3本目 (#21~30)
▶4本目 (#31~40)
【目次】
2023年のまとめ、分類について (5種, 計50曲)
いつも読んでいただきありがとうございます。昨年と同じ全50アーティストという枠組みのなかで、今年は下記構成で勝手に推させていただきました。
- 今年を象徴する10組 (#1~10)
- 勢いを感じた楽曲10選 (#11~20)
- 人気だった20組 (#21~40)
- T-POP で5組 (#41~45)
- 個人的に印象的だった5曲 (#45~50)
色々な前置きは (#1~10) で語ったので、「T-POP で5組」「個人的に印象的だった5曲」 を早速発表していきます!
T-POP で5組 (#41~45)
※ 12.「DIDIxDADA」13.「THI-O&TUTOR」17.「FLI:P」18.「4EVE」32.「PROXIE」33.「ATLAS」は発表済み。
41. BUS (789SURVIVAL) - Because of You, I Shine
曲 名:Because of You, I Shine
歌手名:BUS
発表日:2023年12月06日
2023年の T-POP シーンを語る上では欠かせないグループ!BUS (バス) で『Because of You, I Shine』。
タイの若い世代を中心に一大ブームを巻き起こしたと言われる社会派ティーンドラマ『Hormons』シリーズ (2013-15)、"BLを超越したBL" とも評される Billkin・PPKrit 主演の青春群像劇『I Told Sunset About You』シリーズ (2020-21) など、歴史に残る作品を輩出したコンテンツ制作会社・Nadao Bangkok。昨年、SNS上で突如解散を発表し、界隈に衝撃が走ったことも記憶に新しいです。
なぜこの話をしたのかと言うと、実は Nadao Bangkok は廃業したのではなく、屋号を変えて生き残っていたのでした。BUS が所属する音楽レーベル・TADA Entertainment として。
正確には、TADA Entertainment 傘下の SONRAY MUSIC 所属なのですが、要するに経営の選択と集中により屋号を変えたというのが一連の結末でした。
深めな話が先行してしまいましたが、BUS はつい先日デビューしたばかりのグループ。 2023年上半期に放送されたタイのボーイズグループ・サバイバルオーディション番組「789SURVIVAL」を勝ち抜いた12名で構成されています。筆者はずっと Khumpool さんが好きです……(※顔面天才)
デビュー曲であり、グループ名の正称でもある『Because of You, I Shine』、いいですよねぇ!爽やかでありながらキャッチーで、かつ Y2K な感じもあって、若さを上手に使ってフレッシュさも満点、メンバーの個性が活き活きとしております!
タイのアイドルグループは韓国と比較して、楽曲ごとに異なる印象を魅せる傾向にありますが、とうとうグループとしてのコンセプトを重視していることが明確に分かるグループが出てきました。
タイのボーイズグループ戦国時代、まだまだ続く予感。
42. MXFRUIT - strawberry ice cream (สตรอว์เบอร์รีไอศกรีม)
曲 名:strawberry ice cream (สตรอว์เบอร์รีไอศกรีม)
読み方:さとーぶりーあいさくりーm
歌手名:MXFRUIT
発表日:2023年03月08日
国際派&超実力派!2023年にデビューしたタイの5人組ガールズグループ・MXFRUIT (ミックスフルーツ / มิกซ์ฟรุต) で『strawberry ice cream (สตรอว์เบอร์รีไอศกรีม)』(読み方 : さとーぶりーあいさくりーm)。
最初見たときはそのタイトルとサムネから、タイを拠点にした多国籍ガールズグループが誕生したのだと思いました。K-POP における Z-Girls や BLACKSWAN みたいな。
と思ったらこの MXFRUIT、なんと全員タイ人だそうな!?全員タイで生まれ育ちタイ語が喋れると!?自国の人材だけでマルチリンガルグループを構成してきた模様。タイ、エグい。
そんな彼女たち、ライブパフォーマンス能力が滅茶苦茶高い。
これ、初パフォーマンスらしいのですが、エグいエグいエグい(中略)エグい。
被せ一切なしでハモリも交えながら歌い切る歌唱力、
恵まれたフィジカルから繰り出されるダイナミックなダンス、
その実力に裏打ちされたであろう溢れる自信。いつ見ても衝撃を受けます。
あと YouTube のコメント欄見ると日本人多くて嬉しい!やっぱりいいですよね!?ちなみに先述の BUS とは姉妹の関係にあたります。
43. VIIS - Barbie (Oops! Oops!)
曲 名:Barbie (Oops! Oops!)
歌手名:VIIS
発表日:2023年09月06日
こちらも2023年にデビューしたタイのガールズグループ!VIIS (วิส / ビス または ウィス) で『Barbie (Oops! Oops!)』 。
タイの最大手レコードレーベル・GMM Grammy 系列の T-POP 特化型レーベル・GNEST からデビューした初のガールズグループ。先輩には同じく5人組の PERSES がいらっしゃいます。
GNEST は音作りがとても巧み。空気感が多く軽い質感の音作りがすごく今っぽい。
ですがスピーカーやヘッドフォンで聴いてみてください。低音の量に驚きます。バイブス上がるわ〜。ライブで聴いたら超楽しいはず。
タイの視点とワールドスタンダードなポップスが融合した、洗練された一曲。今後の活動にも注目!
44. TIGGER - R U OK?
曲 名:R U OK?
読み方:あーゆーおーけー
歌手名:TIGGER
発表日:2023年02月01日
魅力満点な GNEST 初のソロアーティスト!今年2月デビュー・TIGGER (タイ語表記: ทิกเกอร์ / ティッガー) で『R U OK?』。
2005年2月生まれの18歳。若い!リリース当時は17歳だった彼をそのまま歌にしたような楽曲。
年齢よりもしっかりしていて、でも少年らしい純朴さも残っていて、でも自分の魅力の半端なさを分かっていなくて周りの人を何気なく骨抜きにしてしまう TIGGER の恐ろしさ (褒めてる) がそのまま歌になっています。可愛すぎんか!?
語学に楽器にダンスに……と、多彩な姿を披露している自己紹介動画も必見です。古参ぶりたいなら今のうち!!だと思います本当に。
45. LYKN - เลิกกับเขาเดี๋ยวเหงาเป็นเพื่อน (MAY I?)
曲 名:เลิกกับเขาเดี๋ยวเหงาเป็นเพื่อน (MAY I?)
読み方:るーkがpかぅでぃあぅンがぅぺんぷあん
邦 訳:別れても付き合うよ (できますか?)
歌手名:LYKN
発表日:2023年05月05日 (配信開始: 5月10日)
T-POP 枠の最後は、2020年以降のタイカルチャーブームを牽引してきた GMMTV が送り出した初のボーイズグループ!LYKN (読み方: らいけーん / ไลแค่น)*1 で『เลิกกับเขาเดี๋ยวเหงาเป็นเพื่อน (MAY I?)』(るーkがpかぉでぃあぅンがぅぺんぷあん / 別れても付き合うよ (できますか?))。
デビューメンバーは総勢25名の中から選抜された5名。その模様は GMMTV『Project Alpha』で放送されました。
デビュー曲はかなりシックな一曲。T-POP らしい、早すぎないテンポと控えめなシンセ。キャッチーなメロディー。しかし、少し外したベースラインからは音楽性へのこだわりを感じます。
パート割やダンスも面白い!一人ひとりが目立つように工夫されているのもいい!
動画を観ている画面の前の自分がメタ的に描かれている MV からは、タイのエンターテイメントを国境を越えて世界に送り出してきた GMMTV の意気込みを感じます。今後の活躍にも期待!
個人的に印象的だった5曲 (#46~50)
最後はタイポップを1年間聴いてきた筆者が個人的に気になった5曲!
偏りがいつもに増して強いですがお許しください。。。(笑)
46. SLUR - อธิบาย (Clear)
曲 名:อธิบาย (Clear)
読み方:あてぃばーぃ
邦 訳:説明します
歌手名:SLUR
発表日:2023年06月01日
こちらもタイのエモいMV大賞 (#21~30 参照) (※勝手に言っているだけ) ノミネート作品。タイの4人組バンド・SLUR で『อธิบาย (Clear) 』(あてぃばーぃ / 説明します)。
楽曲の展開とコード進行が、恐らく日本人に刺さる一曲。詳しくは過去記事をご参照ください。いきものがかりに特徴的な進行をしていますよ。
そして手話通訳者の女性がヒロインのMVがこれまたクリエイティブで……。楽曲も併せて、個人的には2023年トップ10に入るんじゃないかという位には心を撃ち抜かれました。再生回数こそ伸びていませんが筆者はとても好きなMV&楽曲です。
47. eRAA - เด็กดื้อย์
曲 名:เด็กดื้อย์
読み方:でっkどぅー
邦 訳:頑固な子 (訳違うかも、ごめんなさい)
歌手名:eRAA
発表日:2023年03月31日
タイの6人組ガールズグループ・eRAA (อีกล่า / イーラー) で『เด็กดื้อย์』(でっkどぅー)。
こんなに歌と踊りが出来て顔もよい子達をどのように育てたの!?どこから集めたの!?と思ったら、彼女たちは BNK48 (バンコク) & CGM48 (チェンマイ) のメンバーから成る選抜ユニットなんだとか!2020年の VYRA『ต๊ะต่อนยอน…Hurry Up! ft. Sunnee』(BNK48 のユニット) を初めてみたときも同じような印象を持ちましたし、こういう活動手法いいですよね。
ぶち上がるトンチキなこの曲、個人的にはめっちゃ好き。(笑)
ジャンルとしては、イサーン音楽とEDMを融合させたものにあたるそう*2。モダン・インディー・カントリー・フォークソングと言ったところでしょうか(※長い)
48. just" - Glitter Butterfly
曲 名:Glitter Butterfly
歌手名:just"
発表日:2023年02月28日
タイのバイラルチャートで一桁順位を一週間以上キープし続けたから、紹介させてください……!ラオスの男性アーティスト・just" で『Glitter Butterfly』。
タイポップブログを語っておきながらタイ国外のアーティストを取り上げるなんて…!と当初も思いましたが、タイの音楽マーケットを語る上で知っていて損はないと思い紹介させていただきました。
タイは東南アジアで最大規模のエンタメ市場を誇る国。タイから発信することはすなわちタイ周辺諸国であるラオスやカンボジア、ミャンマーひいてはマレーシアも市場圏内に捉えることが可能なのです。
更に、タイ語とラオス語はとても似ている言語!こちらのサイトによれば
タイ語とラオス語は、同じ語族に属しており、文法や語彙の構造が非常に似ています。そのため、両言語を話す人々は、比較的簡単に相互理解ができることがあります。
とのこと。文字もかなり似ているんですよ。
just" の『Glitter Butterfly』、用意されている字幕がタイ語のみであることからもタイ市場をメインに据えていることが伺えます。ある程度のお金と機材さえあればあとは実力とセンスでどうにかできる時代が来ています。
49. เท่ห์ จำปาสัก (Thay CPS) - ນາງຟ້າໂຕເປັນໆ ( นางฟ้าตัวเป็นๆ )
曲 名:ນາງຟ້າໂຕເປັນໆ ( นางฟ้าตัวเป็นๆ )
読み方:(タイ語) なーんふぁーとぅぁべんべん
邦 訳:生きている天使
歌手名:เท่ห์ จำปาสัก (Thay CPS)
発表日:2023年01月26日
タイ語の勉強中に出会った曲。เท่ห์ จำปาสัก (てーぢゃmぱーさっk / 別名: Thay CPS, Thay ChamPasak) で『ນາງຟ້າໂຕເປັນໆ ( นางฟ้าตัวเป็นๆ )』(タイ語読み: なーんふぁーとぅぁべんべん / 生きている天使)。
出会った経緯は過去記事に任せることにしますが、サビの終わりに突如として『君のと〜り〜こになって〜』と日本語が出現します(笑)
歌詞を見ると
ຄິມິໂນໂຕະ. ນິໂກະນິນັບ ເຕ
(キミノトリコニナッテ)
君のとりこになって、と確かに歌っていました(笑)
TikTok をきっかけに世界で流行した evening cinema の『summertime』の影響でしょう。音楽は国境を越えるわぁ〜!
一応それっぽいコメントもしておくと、この曲もラオス語ながらしっかりとタイ語訳も付属。タイ語圏を市場として捉えていることが分かります。先述のjust" で『Glitter Butterfly』と同じですね。まあ、現地の人の感覚からすると、言語似てるし市場でかいからやっとくかー、くらいの感覚なのかもしれませんが。
あと日本語のあとよく聞くと「サランヘヨ」とも言ってます。この貪欲さ、嫌いになれない。
50. AnotherSankhom - Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)
曲 名:Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)
読み方:ぼーkらっkぼぃぼぃ
邦 訳:盆栽ボーイ (愛してるって沢山言う)
歌手名:AnotherSankhom
発表日:2023年11月07日
「気になった楽曲5選」最後は、初の日本人 T-POP アーティスト……!?
タイ在住の日本人インディペンデントミュージシャン・AnotherSankhom (アナザーサンコム / อนาเธอร์สังคม) で『Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)』(ぼーkらっkぼぃぼぃ / 愛してるって沢山言う)。
生まれも育ちも日本ですが、2020年のタイ旅行をきっかけにタイとタイの音楽が好きになり、とうとうタイ語で歌までリリースしてしまったのだとか。行動力やばい (褒めてます!)。
今年から楽曲制作を始めたとは思えないほどクオリティは十分で、前作『ตั้งใจรัก (My Secret)』もかなりセンス爆発しています。
体が動き出すようなスウィングのリズムは T-POP におけるヒットの王道。エレピと R&B ベースのドラムも今っぽいし、楽曲のコンパクトさ、聴きやすさなどもすごく意識して作りこまれている気がします。
タイ語で作詞作曲&歌唱する日本人が出てきたとはなかなか衝撃でございました (しかも完全インディペンデントで)。新しい時代の到来を感じます。
全組 おわり!
昨年と同じ50曲(組)、以上で終了となります!最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました!お疲れ様でしたm(__)m
また、執筆途中で体調不良になり、不定期配信となりましたことをお詫び申し上げますm(__)m
皆さまはお気に入りの楽曲、アーティストなどありましたか?
個人的には全曲お気に入りです (なぜならば: 自分で選んだから) あと曲を聴いていて思うけどもっとタイ語上手くなりたいな〜
来年はどんな曲に出会えるのか、今から楽しみです^ ^ 2024年もどうぞよろしくお願いいたします!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
今後も引き続き、ホットな T-POP・タイポップス情報をトムヤム視点でお届けしていきます。
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