まじかよ、タイドラマ!タイポップ!

タイのカルチャーと音楽(T-POP/タイポップ)にハマって遂にタイ移住してしまったZ世代男子

トムヤム的!今週のタイポップ・TPOP (2023/11/6~12) #50

今週のタイポップ NOA ZomMarie AnotherSankhom タイ語 日本人

直近一週間で気になったタイポップ / T-POP を紹介します。第50回目。 (Cover: AnotherSankhom)
曲だけサクッと聴きたい方はこちら。

前回の記事はこちら 

 

 

【目次】

 

 

 

 

 

1. BOWKYLION - เลี้ยงไข้ (fever) ft. THE TOYS

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曲 名:เลี้ยงไข้ (fever)
読み方:りあんかぃ
邦 訳:熱を長引かせて
歌手名:BOWKYLION
発表日:2023年10月24日

 

タイを代表する歌姫の一人、BOWKYLION の最新曲『เลี้ยงไข้ (fever)(りあんかぃ / 熱を長引かせて)

 

曲名ですが、Web辞書によると、

医師が長期にわたり治療費を徴収するために、意図的に病気の治療を遅らせること

なのだそう。"เลี้ยง" という動詞には「育てる」という意味が、"ไข้" には「熱」という意味がそれぞれあります。勉強になります。。。

 

BOWKYLION は作詞作曲を自ら行うシンガー・ソングライターでもあります。一度聴いたら忘れられない、芯がありつつも全てを包み込むような包容力のある歌声の持ち主でもあり、その存在はまるでタイのユーミン

 

ここにフィーチャリングとして加わったのが、PP Krit『FIRE BOY』や ATLAS『เค้ามาก่อน (Lovefool)』などのヒット作を次々と世に送り出す若手音楽家THE TOYS。そんな彼を曲作りではなく歌手として迎えるなんて、なんと豪華なこと……!

そして、次は THE TOYS がプロデューサーを務めた新作を紹介。

 

 

 

 

2. WIN METAWIN - ไม่ได้ทันได้บอกเธอ (TOO LATE)

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曲 名:ไม่ได้ทันได้บอกเธอ (TOO LATE)
読み方:めぃだぃたんだぃぼーkたー
邦 訳:間に合わなかった
歌手名:WIN METAWIN
発表日:2023年11月07日

 

GMMTV を代表する俳優の WIN METAWIN、約1年ぶりのオリジナル曲『ไม่ได้ทันได้บอกเธอ (TOO LATE)(めぃだぃたんだぃぼーkたー / 間に合わなかった) をリリース。

 

いつ見ても可愛いし格好いい……。そんなメタウィンが歌まで歌ってくれるなんてどんな曲でも有難すぎて感謝の気持ちしかないのですが、今回は先述のタイを代表するミュージシャン・ THE TOYS をプロデューサーに迎えた豪華な一曲!

 

高低差のあるメロディーラインや、気になる和音をサラッと入れてくるあたりは流石の THE TOYS。ウィンの飾らない歌声を彩るスパイスとなっていて、もう一回聴きたくなってしまう。

 

 

 

 

3. Zom Marie Ft. NOA - เท่าไหร่ก็ไม่พอ (Never Enough)

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曲 名:เท่าไหร่ก็ไม่พอ (Never Enough)
読み方:たぉらぃごーぽー
邦 訳:幾らあっても足りない
歌手名:Zom Marie Ft. NOA
発表日:2023年11月10日

 

タイを代表するラッパーであり音楽家・実業家の F.HERO 率いる音楽レーベル「HIGH CLOUD ENTERTAINMENT」所属の人気女性シンガーの新曲は、元YG練習生の日本人とのコラボ!

Zom Marie Ft. NOA で『เท่าไหร่ก็ไม่พอ (Never Enough)』(たぉらぃごーぽー / 幾らあっても足りない)。

 

美しい歌声と多彩な表現力で人気の Zom Marie は、YouTuber としても大人気。彼女のチャンネル登録者は脅威の333万人 (2023年11月11日現在)

 

そんな彼女とフィーチャリングしたのは、BLACKPINK が所属している (現在は契約更新交渉中?) 韓国大手芸能事務所・YG で6年間練習生として訓練を積み重ねていたという2000年生まれの日本人ソロアーティスト・ NOA*1

公式HPには日英韓国語を操るトリリンガルアーティストと記載がありますが、そこにタイ語も入ったらもはや何リンガル?(※マルチリンガル)

 

ボーダーレスな時代を象徴するようなコラボレーション。

 

 

 

 

4. AnotherSankhom - Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)

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曲 名:Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)
読み方:ぼーkらっkぼぃぼぃ
邦 訳:盆栽ボーイ (愛してるって沢山言う)
歌手名:AnotherSankhom
発表日:2023年11月07日

 

これは T-POP なのか、はたまた J-POP なのか――。タイの音楽市場を舞台にする完全インディーズアーティスト・AnotherSankhom で『Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)(ぼーkらっkぼぃぼぃ / 愛してるって沢山言う)

 

AnotherSankhom は日本人だそう*2なのですが、タイ好きとポップス好きが興じてタイ語での音楽活動を始められた (!?) 弱冠20代の男性ミュージシャン。

音楽活動を始めたのは仏暦2566年、すなわち今年の始めだそうなのですが、本当かと疑いたくなるくらいにはクオリティ充分です。

 

新曲『Bonsai Boi (บอกรักบ่อยๆ)』は、愛する人を、毎日手入れが必要な盆栽に例えた一曲。シティ・ポップとシンセ・ポップが融合した、ジャンルの垣根を越えた歌謡 R&B となっています。

 

ちなみに、タイに盆栽ってあるの?と思ったら、どうやら最近一部のタイ人の間で流行しているのだとか*3。目の付け所がシャープだわ……。

news.tv-asahi.co.jp

 

前置きはさておき、とにかく聴いてみて欲しい。

日本人が全編タイ語詞を書いているのもスゴイのですが、色々な面でセンス全開過ぎてヤバイ。

 

1つ目は歌詞

サビの始まりは 'I got to love you forever' 'Bon Bon Bonsai Boi' と英語詞。

そこに続くのは、同じメロディーラインに沿って三連符のようなハイテンポで畳み掛けるタイ語詞。緩急の付け方がシンプルでありながら新鮮で、聴いていて気持ちがいい。英語多めのタイ語詞が今っぽくておしゃれです。

 

2つ目はメロディーとアレンジ

繰り返される 'Bonsai Boi' (盆栽ボーイ) のフレーズ。とてもキャッチーで頭に残ります。それだけではなく、コードが微妙に変化する中にあるため、フレーズごとに様々な表情を見せるのがエモい……。

あと程よく三味線の音色がアクセントになっているのもいい。BOWKYLION の項でご紹介した ATLAS『เค้ามาก่อน (Lovefool)』にも同じような音色が入っているため、タイ人受けも悪くないのかも。

www.youtube.com

 

3つ目はテーマ

'BONSAI' という単語が世界でも通じるほど、日本の文化というイメージが強い盆栽 (起源は中国だそう) をテーマにする。そして、盆栽が現在流行しているタイで、タイ語で日本人がオリジナル曲を作るという嗅覚と実行力がスゴい。

 

 

個人的には、T-POP アイドルたちが歌っているのも聴いてみたいなあ。願望ですが。

でも、ひょっとしてひょっとしちゃう気も、する。

 

 

 

 

5. ปรีชา ปัดภัย - ยื้อ

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曲 名:ยื้อ
読み方:ゆー
邦 訳:引き止める
歌手名:ปรีชา ปัดภัย (プリーチャー・パッパイ)
発表日:2023年10月13日

 

直近8年間で最大のヒットを記録中。タイ全土で話題の映画『สัปเหร่อ』(サッpロー / 葬儀屋 / 別題: The Undertaker) OST より、ปรีชา ปัดภัย (プリーチャー・パッパイ) で『ยื้อ(ゆー / 引き止める)

 

法科大学院を修了し、弁護士になるための試験を控えて地元に戻っていた25歳の青年・ジョード。葬儀屋を営む彼の父親が病気に倒れたことで、急遽父親の代役を務めることになる。しかし、タイ語「ピー」と呼ばれる、お化けあるいは精霊を極度に恐れていた彼に降り掛かった出来事とは――。イサーン地方を舞台に起こる民族SFストーリーです。

 

全編イサーン語 (※タイでは方言というより '異なる言語' という捉え方をする) で語られる物語は、イサーン地方における文化、とりわけ幽霊・精霊信仰や伝統・儀式が丁寧に描かれているそう。加えて、タイの北から東部までを国境で接するラオスでは、アベンジャーズエンドゲームの記録を破ってラオス史上最もヒットした映画となったそうです。

 

そのような背景や歌詞が分からなくとも感情が伝わってくるこの楽曲。ぜひ映画も観てみたいと思います。

 

 

 

 

 

[後記] 50回たどり着きました!

今年の抱負の一つ「今週のタイポップ50週継続」が達成できました!

いつも読んでくださる皆さま、本当にありがとうございます。自分の書きたいことしか書いていないのに大変恐縮です……。

 

来週からも引き続きよろしくお願いします!では!

 

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

今後も引き続き、ホットな T-POP・タイポップス情報をトムヤム視点でお届けしていきます。
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