今年も行います!T-POP・タイポップ・タイポップス 2023年の個人的まとめ!
【目次】
- 2023年のまとめ、分類について (5種, 計50曲)
- 今年を象徴する10曲
- 1. Chrrissa Chotijirasathit - B Blood Type
- 2. Paper Planes - ทรงอย่างแบด (Bad Boy)
- 3. YOUNGOHM - ธาตุทองซาวด์
- 4. Newery - กลิ่นดอกไม้
- 5. เรนิษรา - ผู้ถูกเลือกให้ผิดหวัง (Sad Flower)
- 6. COCKTAIL - ไม่เป็นรอง
- 7. FREEHAND - ขอให้เธอใจดี (May she be kind)
- 8. วสันต์17 - ก่อนลา
- 9. VELIKA - หากว่าฉันได้ครอบครอง
- 10. Percy - Shall we feat. 4ourYou & GENA DESOUZA
- 10/50組 おわり!
2023年のまとめ、分類について (5種, 計50曲)
いつも読んでいただきありがとうございます。昨年と同じ全50アーティストという枠組みのなかで、今年は下記構成で勝手に推させていただきました。
- 今年を象徴する10組 (#1~10)
- 推したい楽曲10選 (#11~20)
- 人気だった20組 (#21~40)
- T-POP で5組 (#41~45)
- 個人的に印象的だった5曲 (#45~50)
筆者はどちらかというと1組のアーティストに拘らず、浅く浅く様々な楽曲を聴くのが好きなタイプなため (浅すぎる)、
また、NewJeans が今年最も聴いたアーティストだと Spotify に証明されてしまった筆者の視点による取捨選択のため、トレンドと大衆的人気と新鮮さに偏った選択になっているはず。皆さんのお気に入りもよければ教えて下さいね。この記事が新たな T-POP・タイポップスを見つける手助けとなれば幸いでございます。
言い訳に使わせていただいてもよろしいでしょうか。 https://t.co/13zHCrT6sT pic.twitter.com/j0sc4Qk8qb
— トムヤム亜久津 (@tomyumakt) 2023年12月5日
(タイで最も聴かれたアーティストは NewJeans だからセンスはタイ人 (言い訳))
では早速参りましょう。まずは今年を象徴する10曲から!
今年を象徴する10曲
1. Chrrissa Chotijirasathit - B Blood Type
曲 名:B Blood Type
邦 訳:血液型B
歌手名:Chrrissa Chotijirasathit
発表日:2023/01/01
今年を象徴する楽曲といえば、この曲は外せません!Chrrissa Chotijirasathit で『B Blood Type』(血液型B)。
Chrrissa は、セクシャルマイノリティのタイ人インフルエンサー*1。自らの生き方を素直に晒すことで世界の人々に勇気を与えています。世界的にも有名なLGBTQI+支援系タイ人インフルエンサー・Koen(@koendanai) とも相互フォロー。
2023年1月1日という、1年で国民が最も仕事をしていないであろう一日に発表してからというもの、わずか10日でMVが600万回再生を達成。*2
歌手を本業としていないにも関わらず、世界の T-POP ファンが大注目する月に一度の音楽番組「T-POP Stage Show」に出演を果たします。音楽番組としては異例の700万回再生を記録。最大瞬間風速がどれほど強いものだったかが伺えます。
その後は半年以上に渡り Spotify のストリーミングチャート TOP10 をキープし続けるという偉業を達成しました。
恋人に振られたことを自分のせいではなく、B型という"属性"のせいにしたい、という失恋のやるせなさを歌ったこの曲。Chrrissa さん、本業歌手でないのにも関わらず聴かせる歌声をしている。シンプルなアレンジと相まって一生聴き続けられるような愛しい楽曲になっています。
ちなみに MV の撮影場所は「バンコク現代美術館」。
中心部とドンムアン空港の間に位置しており、過去から現代に至るまでのタイ美術を洗練された展示とともに楽しむことができます。筆者も訪れたことがあります。アートに興味があるかたはぜひ。
2. Paper Planes - ทรงอย่างแบด (Bad Boy)
曲 名:ทรงอย่างแบด (Bad Boy)
読み方:そんやーんべーっ
邦 訳:悪いタイプ
歌手名:Paper Planes
発表日:2022年10月17日
"2023年を代表する10曲"、2曲目は2017年から活動するタイのロックバンド・Paper Planes で『ทรงอย่างแบด (Bad Boy)』。
タイポップというよりはロックですが、ヒップホップを取り入れた短尺な曲が今っぽかったです。初めて聴いたときはロックでありながらとても新鮮で、シャウトにのせて愛を叫ぶ歌詞に心がメチャクチャ震えました記憶があります。
この曲、子供に特に刺さったようで TikTok を中心に流行が一気に拡大した模様。
広告人気も凄まじく、タイで最もポピュラー乳飲料の1つ「Lactasoy」、タイのセブンイレブンならどこにでもあるプロテインバー「Choko Mucho」、日本のタイドラマファンなら知らない人はいない「Oishi」などに起用。バンコクで1日を過ごせば彼らを目にしない日はないと言っても過言ではないでしょう。
3. YOUNGOHM - ธาตุทองซาวด์
曲 名:ธาตุทองซาวด์
読み方:ターットーンサーゥ
邦 訳:金色のサウンド
歌手名:YOUNGOHM
発表日:2023年1月25日
3曲目は、タイの国民的ラッパー・YOUNGOHM (ヤングオウム) が2023年1月に発売したアルバムのリード曲『ธาตุทองซาวด์』(ターットーンサーゥ / 金色のサウンド)。
この曲も一聴きしたときの衝撃は今でも忘れられません。
四つ打ちで鳴り響くタイの打楽器・トーンの音色、ルークトゥンに特徴的な変調で繰り出されるトラック。
彼のアイデンティティやタイ人としての矜持、多様性を尊重する政治的立場などが息つく暇もなく畳み掛けられます。ほぼ休む事なくリリックが散りばめられた4分間からはまさしく、金色の輝きを感じました。
そんな小難しい話はさておき、ソンクラーン期にヒットが重なります。外を歩けばこの音楽が聴こえてくるしタイ人は合唱するという社会的現象を巻き起こしました。2023年、仏暦にして2566年のタイの旧正月を彩った楽曲です。(紹介記事: 2023-02-05)
4. Newery - กลิ่นดอกไม้
曲 名:กลิ่นดอกไม้
読み方:ぐりんどーkまぃ
邦 訳:花の匂い
歌手名:Newery
発表日:2019年08月21日
幅広い層から人気を獲得した楽曲です。カーラジオやローカルレストラン、ショッピングモールなどでたくさん耳にしました。Newery で『กลิ่นดอกไม้』(ぐりんどーkまぃ / 花の匂い)。
楽曲自体は2019年のものですが、2023年上半期にチャートを怒涛の勢いで逆走。そのきっかけとなったのは、2022年下半期に放送されたタイBLドラマ『I Will Knock You』での使用だそう!
しかしもはやその人気はひとり歩きし、現在でもチャート上位に位置する定番の一曲となりました。美しい楽曲。
Newery 自身も新曲を次々と発表するなど精力的に活動しており、人気アーティストとしての地位を確立しています。
5. เรนิษรา - ผู้ถูกเลือกให้ผิดหวัง (Sad Flower)
曲 名:ผู้ถูกเลือกให้ผิดหวัง (Sad Flower)
読み方:ぷーとぅーkるあっkはぃぴっtわん
邦 訳:失望を選ばれた人
歌手名:เรนิษรา (Reinizra)
発表日:2022年11月4日
続いては、2021年11月から活動するタイの2ピースデュオ เรนิษรา (レイニサラー) で『ผู้ถูกเลือกให้ผิดหวัง (Sad Flower)』(ぷーとぅーkるあっkはぃぴっtわん / 失望を選ばれた人)。
優しい歌声と、ポップやロック、ソウルなど様々なジャンルを横断的に自分のものにしてしまう独自の世界観が魅力的です。
筆者の過去記事によると (笑)、発売から2ヶ月ほど経過した2023年1月下旬頃、猛烈な人気を獲得。
1曲目にご紹介した『Blood Type B』の Chrrissa Chotijirasathit、『Ditto』『OMG』をリリースした直後の韓国の NewJeans らを抑え、Spotify の Thailand TOP50 チャートで堂々の1位を獲得していたそうです。あの英NMEの「2023最高の歌50」入りを果たすきっかけとなった楽曲リリース直後の NewJeans を抑え1位だったという最大瞬間風速の凄まじさ、どうか伝わりますか?
6. COCKTAIL - ไม่เป็นรอง
曲 名:ไม่เป็นรอง
読み方:まいぺんろーん
邦 訳:負けない
歌手名:Cocktail
発表日:2022年08月23日
6曲目は、タイの国民的人気バンド・Cocktail で『ไม่เป็นรอง』(負けない) 。
Cocktail (ค็อกเทล / 泰: コーッkテーゥ / 日: カクテル) は、ボーカルの Ohm を中心に2002年頃から活動するタイのロックバンド。YouTube の再生回数が1億回を超える楽曲を7作も抱える、異次元の人気を誇るバンドです。
そんな Cocktail が昨年8月にリリースした楽曲がチャート逆走で絶大なる人気を獲得。再生回数は2023年12月現在で1.2億回を記録。大切な人に認めてもらうための努力を歌った曲になっています。英語字幕がありますのでぜひONにして聴いてみて。
7. FREEHAND - ขอให้เธอใจดี (May she be kind)
曲 名:ขอให้เธอใจดี (May she be kind)
読み方:こーはぃたーぢゃぃでぃー
邦 訳:彼女が親切でありますように
歌手名:FREEHAND
発表日:2023年03月30日
"2023年を代表する10曲" 7曲目は、2011年にデビューしたタイの4ピースバンド・FREEHAND で『ขอให้เธอใจดี (May she be kind)』(こーはぃたーぢゃぃでぃー / 彼女が親切でありますように)。
タイの湿気と熱気を思い出すかのようなしっとりとした楽曲と、日常に溶け込みつつリスナーに寄り添う歌詞が魅力の FREEHAND。この楽曲は YouTube の「世界で人気のミュージックビデオ」ランキング TOP50 を記録するなど、国境を越えて人気を獲得しました。
アウトロではサビのメロディーがリフレイン。感情が体に染み込んでいきます。
TikTok 全盛でタイパ重視のこの時代、さっぱりと終わる曲が多い中でもこの曲が人気を集めているという事実は注目に値します。いい曲には時間をかけてもいい、という気持ちが人類にはまだ残っていることを証明しているようです。
8. วสันต์17 - ก่อนลา
曲 名:ก่อนลา
読み方:ごーんらー
邦 訳:さよならの前に
歌手名:วสันต์17
発表日:2023年09月17日
続いては、タイのカントリーソング。วสันต์17 (ワッサンシッpジェッt) (以下、ワッサン) で『ก่อนลา』(ごーんらー / さよならの前に) 。
以前の紹介記事の繰り返しになりますが、歌手のワッサンがこれまた魅力的な人物なんですよね。
防音どころか防虫すらままならないような部屋の一室でレコーディングを行ったり、
移動手段は車ではなくスクーターだったり、
インスピレーションを高めに行くのは都会のバーではなく川、
などと決して見栄をはらない彼の生き様が、更新頻度の低いインスタから伺えます。体面を重んじるタイ人にしては珍しく感じます (あくまで相対的な話として)。
自分のペースでSNSに楽曲をアップするなどしていたワッサンですが、あるときタイの民族音楽専門レーベル「จอจาน ยอยักษ์ โปรดักชั่น」(ヂョーヂャーン ヨーヤッk プロダクション) にその才能を見出されます。
そしてリリースした自身初のデジタルシングルがこちらの楽曲『ก่อนลา』(ごーんらー / さよならの前に) 、という次第です。結果はご覧の通り。タイのバイラルチャートで上位にランクイン、MV の再生数はわずか2ヶ月で3000万回を突破。きっとこれからも伸びるだろうという予測込みで10選に選ばせていただきました。
突然売れてしまって大丈夫かな、なんて勝手に思いましたが杞憂に決まっています。自分の生き様を貫き通してきたワッサンが変わることはないはずです。次の曲も聴きたいけど、すぐにリリースされなくても大丈夫。自分のペースで人生を営む彼が創る音楽が好きなのだから。
9. VELIKA - หากว่าฉันได้ครอบครอง
曲 名:หากว่าฉันได้ครอบครอง
読み方:はーkわーしゃんだぃくろーpくろーん
邦 訳:もしわたしが掴めたなら
歌手名:VELIKA
発表日:2023年02月04日
9曲目は、タイの男性シンガーソングライター・VELIKA で『หากว่าฉันได้ครอบครอง』(はーkわーしゃんだぃくろーpくろーん / もしわたしが掴めたなら)。
誰かを好きになってしまった自身の感情を、飼われる犬に喩えます。
私たちが誰かを愛するとき、私たちは犬のような存在になる。愛する人のそばにいて、いつも愛する人を求めている。行き詰まってどこにも行きたくないときも、一緒にいるだけで安心する。
しかし、飼い主は犬の気持ちを往々にして分からない。話したくても、側にいたくても、犬を置いてどこかへ行ってしまう。そのような飼い主に伝えられない、あるいは伝わらない思いを歌にしたセンチメンタルな一曲となっています。
タイで人気が出る楽曲は往々にして歌詞が美しいです。音楽だけでも楽しめますがぜひ歌詞にも目を向けてみては。
10. Percy - Shall we feat. 4ourYou & GENA DESOUZA
曲 名:Shall we feat. 4ourYou & GENA DESOUZA
歌手名:Percy
発表日:2023年08月03日
インディペンデントアーティストながら、YouTube における楽曲の総再生回数は4000万回超え!Percy で『Shall we feat. 4ourYou & GENA DESOUZA』。
実はこの曲、アートワークが NewJeans にソックリすぎて炎上したという過去があるのですが、アーティストの Percy はオマージュと模倣の境界線を誤ったことを認め、急遽アートワークを差し替え。炎上をものともせず、もはや楽曲の勢いへと変え、一気に人気を獲得しました。
メロディーラインとリズム感の良さ、また明るくも切ないコードと歌詞が心に刺さります。Percy の歌声と対をなすような GENA DESOUZA のウィスパーボイスもアクセントになっていて何回も聴きたくなる曲ですよね。
一時期は、TikTok を開けばこの曲の嵐というほどの人気。多くの人の耳に届いたことでしょう。
10/50組 おわり!
今週から年末にかけては「今週のタイポップ」をお休みして、2023年の振り返りを行うことにいたしました。
独断と偏見がいつものごとく過ぎますが、これをきっかけに世界の誰かのタイポップの世界が広がるといいなぁ!
次回は「2. 推したい楽曲10組」でお送りする予定です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
今後も引き続き、ホットな T-POP・タイポップス情報をトムヤム視点でお届けしていきます。
Twitter のフォローやコメント頂けると嬉しいです!またお会いしましょう。