
直近一週間で気になったT-POP/タイポップを、タイのカルチャーと共に紹介し、タイの音楽の今を捉えるコーナー。(Cover: ALTERS)
紹介した曲は以下のプレイレストでもお聴きになれます。
【目次】
- 1. 4EVE - เปิ๊ดสะก๊าด
- 2. Praesun - เติมไฟ (Streak)
- 3. ALTERS - GIGGLE WIGGLE
- 4. BADMIXY - GOOD BOY Ft.PoyFaii
- 5. PJ - YOU OF THE YEAR
- [後記] 2025年の年末のカウントダウンは
1. 4EVE - เปิ๊ดสะก๊าด
曲 名:เปิ๊ดสะก๊าด
読み方:ぷーッt さ がーッt
邦 訳:爆イケ
歌手名:4EVE
発表日:2025年12月17日
曲名の『เปิ๊ดสะก๊าด』(ぷーッt さ がーッt)、全く普段使わない言葉だったため調べてみたところ、
・First Class(เฟิร์สคลาส)がタイ語化・訛った言葉
・そこから70s–80sルークトゥン的で「一流」「最高」「イケてる」といった意味のスラングとして使われ
・現在では「ド派手にぶち上がる!」「景気よくいこう!」「爆アゲ!」
みたいな感覚を持つ言葉とのこと。ChatGPT と Gemini 調べ。
1970-80s の言葉が由来、かつコンセプトのフォントや色使いからも、
寺祭り(งานวัด / ンがーンわッt)を思い出すようなトラディショナル感、誤解を恐れずに言えば古臭い感じがありますが、
งานวัด(寺祭り)。タイの伝統的な縁日、地域のお祭り。観覧車やお化け屋敷、あるいはオープンエア映画上映なんかもあります pic.twitter.com/QbcAfHiZX4
— トムヤム亜久津@T-POP (@tomyumakt) 2025年12月29日
4EVE が新曲として取り組むことでダサかわいい、自覚的なダサさが逆に格好いい印象を与えています。
モーラムの再解釈として、〈上の世代が聴くもの〉という印象だったモーラム(タイ東北部の伝統的ポップス)を、
モダンなポップス感覚と洗練されたパフォーマンスによって若者世代にも開かれた存在へと更新したアーティスト・ลำไย ไหทองคำ(ラムヤイ・ハイトーンカム)
にも触れておこうと思います。近年では T-POPを中心とした音楽フェスに出演することも珍しくないので。
先月の記事で「4EVEがブランド化している」という話をしましたが、今作を以って逆説的にそれを証明したのではないでしょうか。
2. Praesun - เติมไฟ (Streak)
曲 名:เติมไฟ (Streak)
読み方:てゥーmふァイ
邦 訳:炎を足して (連続)
歌手名:Praesun
発表日:2025年12月11日
楽曲タイトルの『เติมไฟ (Streak)』(てゥーmふァイ) とは直訳すると「炎を加える」になりますが、
これはSNS上のスラングで「Streak (連続アクション) を維持すること」を意味します。
具体的には、「毎日DMを送り合う」とか「毎日スタンプを送り合う」みたいな感じで、関係が続いていることを更新する行為。
この楽曲では、炎すら送ることのできない相手に対して
แค่ไฟยังรักษาไม่ได้ อย่างเธอจะไปรักใครได้
火(Streak)すら保てないのに、誰かを愛せるの?
と、気持ちが冷めきる直前の違和感を描いた曲として表現しています。
なぜ炎なのかはわからないのですが、個人的には Duolingo から?と推測。

クラブなどで若い世代の陽キャと出会うたびに簡単な日本語が喋れることに驚くんですが、理由を聞くとほぼ全員 Duolingo。あの鳥、相当地球人のコミュニケーションに寄与してますぜ。
3. ALTERS - GIGGLE WIGGLE
曲 名:GIGGLE WIGGLE
歌手名:ALTERS
発表日:2025年12月12日
タイに新たな男女混合グループが誕生!ALTERS で『GIGGLE WIGGLE』。
韓国では今年2025年、K-POP では珍しい男女混合グループの ALLDAY PROJECT
が大手YG傘下の THEBLACKLABEL からデビュー、人気を博して話題となりましたが
タイは以前から LGBTQ+ の文脈でも世界から注目された 4MIX や、
『มองนานๆ』でMV再生数約5000万回を記録中、現在でも精力的に活動する FLI:P
など、その文脈はお墨付き。
男女ともにヒップなメンバーばかりですが、個人的には YOHWAN が
えまってメロい pic.twitter.com/JQ0kYbJ78F
— トムヤム亜久津@T-POP (@tomyumakt) 2025年12月13日
本当にメロくてたまらないのだ。(PONCHET の新曲MVに BUS の Jungt と一緒に出演してました!!)

ちなみに所属レーベルの XEBIS ENTERTAINMENT は、以前ご紹介したようにまだまだ練習生が待ち構えているので
今後の情報にも乞うご期待です!
4. BADMIXY - GOOD BOY Ft.PoyFaii
曲 名:GOOD BOY
歌手名:BADMIXY
発表日:2025年12月10日
新時代のクィアアイコンが今年も最後にカマしてくれました!BADMIXY で『GOOD BOY Ft.PoyFaii』。
BADMIXY を一言で説明すると、「ドラァグを武器に、歌・笑い・SNSを仕事として成立させているタイの新世代クィアアイコン」と言えるのですが、そんな彼女の新曲が超イケてる。
レディボーイで地方出身であるという外縁部の立場から、メディアで王道とされる「都会的なお行儀の良さ」をぶった斬った痛快な楽曲に仕上がっています。
そして BADMIXY は相変わらず曲がいいんですよね。音楽面では実力で黙らせに来ているのが本当に格好いい。
一方で笑いも忘れないのがタイ流であり、BADMIXY流。
いまでも TikTok で見る "I'm Lady" ネタ( = 夜の街にたたずむ売春待ちのレディボーイに "Are you lady or lady boy" 質問すると、レディボーイと思われる女性が "No I'm lady" と回答するやり取りがバズった)、

あるいは今年タイで健康食品(丁寧な暮らし)として大流行した "抹茶"

など、ユーモアも散りばめて性別や世代に関わらず多くの人を置いてけぼりにしない優しさ、ある意味で話題作りにも余念がないところが流石です。今後はどのように活躍の場が広がっていくのか、T-POP の文脈からも注目したいところ。
5. PJ - YOU OF THE YEAR
曲 名:YOU OF THE YEAR
歌手名:PJ
発表日:2025年12月13日
シーズン2の制作が決まったタイドラマ『GELBOYS』でメインキャストを務めた PJ(PJ Mahidol)のソロ曲。
GELBOYS のメインキャストはそれぞれソロ等で音楽活動を展開していますが
PJ はソロのほうが可愛さが爆発している気がするのは私だけ?(基本的にこういうお顔は好きですが、、、)
こんなにY2Kハイブラなファッションが似合う人間もなかなかいないので新時代のアイコンとしての存在感を今後も高めていってほしいなと思います。
そして楽曲の作曲を担当しているのは、タンザニアとタイの二拠点で活動するミュージシャンの SAM SAMUEL。
@samsamue7 DAY 1 - PUN #DAY1#pun #samsamuel ♬ เสียงต้นฉบับ - แซม ซามูเอล
以前紹介した MINDY『CATCH ME Feat. JUNGT BUS』でもソングライターとして参加しています。
そしてなぜか本日2回も登場する JUNGT (BUS)。。。はからずもその影響力の大きさを証明してしまいました。
[後記] 2025年の年末のカウントダウンは
パタヤに来ました!といっても29日のショーを見たらバンコクに戻るのですが……
その理由はこのラインナップ。
18:00 – Pixxie
18:45 – Pattaya Countdown 2026 開幕セレモニー
19:00 – Perses
20:30 – THX
21:00 – 4EVE
22:00 – Jeff Satur
23:00 – BUS
T-POP を代表する顔ぶれがまさに勢揃い。
バンコクだと絶対に別会場や別日で分けるのですが、パタヤという地方(バンコクからバスで約3時間)ゆえかなぜか一日にまとまっています!!
その模様はXでお知らせいたしますので、ぜひフォローのほどお願いいたします〜。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
今後も引き続き、ホットな T-POP・タイポップス情報をトムヤム視点でお届けしていきます。
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