タイドラマ『My School President』第11話、感想&レビュー。
【目次】
第11話の視聴はこちら
ざっくりと振り返る (あらすじ)
Hotwave での優勝を逃して、気落ちしている Chinzhilla メンバーたち
団結力も落ちてしまう
Por はバンドの雰囲気に悩み
Win は演奏が怖くなって
Gun は歌うのが怖くなっていた
一方、校長である Tinn の母も、息子と Gun の関係に悩んでいた
校長は Tinn の母親として、Gun に Tinn との関係について問いただす
そんな中、 Por の発案で、再びお参りに行くことに
道中の長さが災いし
罵り合いに発展してしまうメンバーたち
部長の Gun が止めに入るも
Win の一言が拍車をかけてしまう
Por が松葉杖を叩きつけて喧嘩を止める
仲直りし、山頂のお寺に辿り着いたメンバーたち
互いを称え合いつつ、無事にお供えが完了
ムーガタを食べていると、Yak から一本の動画が
それは、Gun が1年前に Yak たちの健闘を称えて歌った曲だった
帰り道に「規則」について新たな事実が発覚。
規則は「Hotwave に勝つまで」ではなく、「Hotwave が終わるまで」
キスしようとする Tinn だが、Gun は家に帰りな、という
Tinn との関係を校長に話したと仄めかす Gun
家に帰ってきた Tinn。上機嫌だったが
先に話を切り出したのは母だった
……という第11話でした!
結局、Chinzhilla は Hotwave で勝利できなかったのですね。
今回では「敗北からの立ち直り方」というのでしょうか。
一筋縄ではいかない、人生のありのままとその救済を見たような気がします。
では、気になったシーンを振り返っていきたいと思います!
印象に残ったシーン
(1) 骨折 (Tiwson x Por)
まずはほんわかした話題から。
Tiwson (演: Mark) と Por (演: Fond) の絡みが、爽やかで癒やされるッ!!
『เพื่อนเล่นไม่เล่นเพื่อน (Cover by Fourth, Ford, Satang)』のMV撮影時 (EP8 [3/4]) から片鱗はありましたが、とうとうお肉を食べさせてあげたりペットボトルの蓋を開けたりしてあげる関係になりました。うん、イイゾ〜。
頭が切れてコミュニケーション達者な Tiwson が好きなタイプは、Por みたいに仲間思いで少し天然な人なんだね。なんだか分かる気がする。かわいいもん。でも Tiwson、自分では意識してないかもしれないけどアナタも相当めんこいぜ……!
※Tiwsonかわいい
(2) ハグ飲み (Gemini x Fourth)
んなこと、あるかッッ!!!
と言いたくなるシーンではありますが(笑)、如何せん身体がぶつかりあった絡み (相撲の稽古かよ) が少ない Tinn と Gun なので、非常にありがたいです。眼福。
このシーン何が良いかって、友人が見てるのにも関わらず恋人同士のやりとりをしているという隠れたこのヒヤヒヤ感ですよね。燃えます。もはやエロスすら覚える。
(3) 喧嘩
このシーン、本っ当に手に汗握りました!よね!?
屋外、山の中腹という難しい環境下においても、感情を爆発させつつもコントロール。怒りという感情の連鎖を脚本通りに演じきる彼らは立派だなと感服します。
リハはどれくらい重ねたんでしょう。私達の目に見える部分だけではなく、見えない部分までも努力した結果なのだろうと推察いたします。
うるさいようでうるさすぎない絶妙な声質。お顔立ちも特徴的で、唯一無二な俳優さんだなと思います。今後も色々な役で見たい。
(4) Gun (Fourth) の顔の演技が、すごいッッ!
表情の幅が、とにかく広いなぁと思います。他と比べて色々な感情を披露する機会が多いキャラクターではありますが、それにしてもすごい。一つ一つのシーンに引き込まれて、感情移入してしまいます。
特に驚いたのは、Tinn母 (校長) に Tinn との関係を詰められるシーン (EP11 [3/4])。
生徒と校長という関係からくる遠慮、一方で好きな人の母親であるという緊張や親しみが絶妙に混ざりあった表情と声色。
演技を超えているよ。リアルが過ぎて、もう……。
心の底から Gun が上手くやれることを願ってしまいました。
Tinn と母の関係性の行方は次回最終話にお預けとなりましたが、どうか、幸あれ。
(5) 同性愛者の息子をもつ母の葛藤 (Tinn母)
「わたしたちは何か子育てで間違いを犯したのかしら?」
息子が同性が好きだと知っての発言。
一瞬ヒヤッとしますが、差別発言でもなんでもない。
母親のありのままの反応、そのものだと思います。同性愛者の筆者は。
だって、自分の子供という最愛の存在には、何不自由なく生活して欲しいに決まっています (もちろん「苦労が必要」「壁を乗り越えてこそ」……などありますが)。この世界のマジョリティは異性愛者で、異性愛者を基本として成立している世界。マイノリティである同性愛者は生きにくいに決まっています。だから、一人の息子を持つ母として「なにがいけなかったんだろう」、このような思考に至ってしまうのは仕方ないし、まったく自然なことだと思います。
でも、ここで救済したのが旦那。
「発表会に参加できず、Tinn が恥をかいたことは失敗だったかもね」と現実を受け入れる。
けれど、君は最高の母親だし、何より重要なのは、厳しい環境に直面するかもしれない息子が安心できる場所を作り続けることではないか、と。
校長がベストマザーだとしたら、父さん、あなたはベストファザーですよ。
ちなみに賞は曰く付きらしいので授与しません。
(6) 破れた夢からの立ち直り方
Sound は言います。
「お参りすらやり遂げることができない」
「なんとも俺たちらしいな」
すると、Yo が告白します。
「願い事をやり直したいのは Por だけじゃない」
「チームの勝利ではなく、自分が朝起きれるかだけを願っていた」
同様に自己中心的だった面々。そして Gun が言います。
「俺達は何事も成し得えてない」「できるのはムーガタだけ」
「高校生活はもう終わりだ」
「最後にひとつでも、何か成し遂げないか?」
全員の気持ちがひとつになり、山頂を目指すことになったのでした。
自分の無力さ、情けなさ、理想と現実の乖離みたいなものを受け入れる。それがスタート。
そして、自分のためではなく、仲間のために行動する。それが上手くやる秘訣。
これらを Chinzhilla の仲間たちは学んだのではないかと思います。そして筆者も、学びました。
まず、自分の無力さを受け入れることは、痛みを伴うし勇気が必要だと思うんですよね。
自分自身を「できない」と認めるののって嫌じゃないですか。(笑)マズローの欲求段階説でも、食欲・排泄欲などの生理的欲求、安心・安全な暮らしといった安全欲求の次に、グループの一員として認められたいという社会的欲求がきますからね。自分の無力さを受け入れるって、それを一時的に自己否定するようなものですから。嫌ですよねぇ。
でも、そこが本当のスタートラインになると思うんです。
できない自分を受け入れて、そこからどう頑張るか、ということだと思うんです。
衛生的な精神状態で健やかに生きていくためには、きっとこっち側で生きたほうがいいし、最終的には楽。
それと、自分のためではなく仲間のために行動する、ということ。
他の人にしてあげたことは、めぐり巡って自分にかえってくるはず。
たしかに、私が思う「輝いている人」は皆、他者への愛に溢れていると思います。
GMMTV の企業理念もこんな感じなんでしょうか。
ドラマ撮影現場の動画を見ていても、この考えが皆に共通している感じがします。わたしも他の人のために、頑張ろう。
次回、早くも最終話ッ……!
とうとうドラマのゴールが見えてきて、あらゆる伏線が回収され始めました。
皆が抱える悩みや苦しみに、答えが出てきています。
今までエリート街道を歩んできた Tinn、そして Tinn に支えられてきた Gun。
さらには同性愛者の息子を持つ母。
一筋縄ではいかない現実と、どう対峙していくのか。
各々の出した結論を見守りたいと思います。
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長文にもかかわらず最後までお読みいただきありがとうございました!
長かった冬も、My School President とともに終わりを告げそうです。
いつもご覧いただきありがとうございます!
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