直近一週間で気になったタイポップ / T-POP を紹介するコーナー。4回目です。
前回の記事はこちら。
【目次】
- 1. Dept - 17 (Hoo Hoo)
- 2. Fourth, Ford, Satang, Winny (GMMTV) - ไหล่เธอ (You’ve Got Ma Back)
- 3. Billkin - Mr. Everything
- 4. MaxMillor - ฉันยินดี (I'm glad)
- 5. ปีของเรา – เบิร์ด ธงไชย (バード・トンチャイ)
- 年末を感じた1週間
1. Dept - 17 (Hoo Hoo)
曲 名:17 (Hoo Hoo)
読み方:しっじぇっ
邦 訳:17 (フーフー)
歌手名:Dept
発表日:2022/09/28
想いを伝える勇気がない自分と、相反して強くなる相手へのやるせない気持ちを、高まる心臓の鼓動のようにハイテンポなドラムに乗せて歌ったタイの2ピースバンド・Dept の楽曲。
日本人からすれば「言うてハイテンポではないやんけ」とツッコミが入りそうですが、タイのポップスからしたら十分速いです。
いつも通り Spotify でタイの音楽チャート「Thailand Top50」を流していてこの曲に当たったとき、「おい何だこの曲、テンポ速いぞ!」と思わず口に出してしまったことを覚えています。
リリースから3ヶ月経過した今なぜこの曲を取り上げたのか。
曲の最後は、
「僕みたいな人があえて声を上げてくれたらいいのにと思う。
けれど、彼女は同じことを考えるだろうか?」
という歌詞で終わります。一見すると厳しい歌詞。ですがこれ、きっと "反語" だと思うんです。
「……彼女は同じことを考えるだろうか?(いや、考えない)」のです。すなわち、想いを伝えるしかないんだよ、と Dept は言っているのです。
思っているだけじゃ、伝わらない。
行動しなきゃ、始まらない。
今の自分に言い聞かせたい気持ちも含めて、この曲をチョイスした次第でした。
ちなみに、Dept をタイ語表記すると "เดป" となり、それを日本語読みすると「デーp」("p" の音で息を止める)。"デプト" と言うよりも "デー" と言う方が、タイ人には分かってもらえそう。
2. Fourth, Ford, Satang, Winny (GMMTV) - ไหล่เธอ (You’ve Got Ma Back)
曲 名: ไหล่เธอ (You’ve Got Ma Back)
読み方:らいたー
邦 訳:君の肩 (君は僕の味方)
歌手名:Fourth, Ford, Satang, Winny
発表日:2022/12/01
無邪気に笑う君が本当に好きだ、Fourth (フォース) ッッッ!!!!!
……ドラマを観ていない方からすると何がなんだかさっぱりだと思うので説明させていただきますと、こちら『ไหล่เธอ (You’ve Got Ma Back)』は、現在放送中のタイドラマ『My School President』の主題歌 (オープニングテーマ) でございます。
第1話の再生回数は100万回を突破、今季放送中のタイBLドラマの中ではダントツの勢い。
撮影時は現役高校生だった Gemini さん、Fourth さんによる純粋無垢な演技 (かつ説得力も高い) が久しぶりに筆者の胸にガチ響きしてしまい、贔屓したかったということもあるのですが (※あるんかい) 、
何よりもこの曲、蔑ろにされやすいドラマの主題歌にも関わらず、
非常に洗練されているということで選びました。
控えめなベース、中音域で厚めになるエレピ、けれどそれぞれの楽器の音が際立つように調整されたコンプレッサー。そして2番のラップパート。
レトロ味を出しつつもトータルでみるととっても今っぽい、オシャレな楽曲です。
ちなみに、彼が Fourth です。演技外でも純粋無垢で笑顔が素敵で少しいたずらっ子で、なんと言うかこんな子が弟に欲しい……
3. Billkin - Mr. Everything
曲 名:Mr. Everything
読み方:ミスターエブリシング
歌手名:Billkin
発表日:2022/12/07
タイの俳優で歌手・Billkin (ビウキン) が、ソロシンガーとして通算5作目となるオリジナルシングル『Mr. Everything』をリリース。
大好きな君のために何でもしてあげたい気持ちを代弁した楽曲です。
Billkin にはこういう大人可愛いナンバーが似合いますね。2021年の『I ไม่ O (IXO)』以来でしょうか。
とはいえ、ラストの歌声は今まで以上に力強く、歌手としての底力を感じます。
MVはクリスマスコンセプト。あぁ、家にもビウキンサンタ、来ないかなぁ!
4. MaxMillor - ฉันยินดี (I'm glad)
曲 名:ฉันยินดี (I'm glad)
読み方:シャンインディー
邦 訳:私は嬉しい
歌手名:MaxMillor
発表日:2022/12/07
タイのエモポップス最前線、以前「心がキュッとなるエモすぎタイポップス5曲選んだからおしえる【T-POP】」という記事でも紹介したことのある MaxMillor が新曲をリリース!嬉しいぃ!!!
スローで不必要なものを削ぎ落としたドラム、中音域がボリューミーで Lo-Fi 感溢れるギター。
切なさ溢れる一方で、透き通るようでどこか心に引っかかる MaxMillor の歌声が伴奏に合わさると、他のアーティストには出せない、独特の温かみが生まれるのです。
やはり唯一無二の存在だと思います、MaxMillor。
5. ปีของเรา – เบิร์ด ธงไชย (バード・トンチャイ)
曲 名:ปีของเรา
読み方:ぴーこーんらお
邦 訳:私たちの年
歌手名:เบิร์ด ธงไชย (バード・トンチャイ)
発表日:2022/12/14
歌詞を掻い摘んで翻訳してみます。
私が望む新年
ちょっとだけ 憂鬱を振り返る*
誰かと話しても デートはせず
働きやすい職場 どこにある
不運はどこへ行った?例年通りだ
来年こそは お願いします
悪いことは ついてこないで*
新年の抱負はいらない
幸せになりたい、それだけだ
プレッシャーはかけないで
心を音楽に解き放て
来年は楽しみがいっぱいだ*
今年はもう古いもの
来年は私たちのもの
世界の厳しい水際対策が解かれ、コロナ禍が新たなフェーズへと突入した2022年。
様々な規制が緩和されたり、人の往来が盛んになったとはいえ、身の回りのことが思い通りにいかず悔しい思いをした人も、筆者を含め未だ多かったのではないでしょうか。
そんな私たちの思いを代弁してくれるかのような、Bird Thongchai (バード・トンチャイ) の楽曲。
彼のことを知らないタイ人はいない、と言い切っても過言ではないでしょう。
スラム街の出身でありながら実力と運を最大限に発揮し叩き上げでのし上がった、タイの国民的歌手でありスーパースターです。
彼は楽曲でこのように歌っています。
心に音楽を解き放て
来年は楽しみがいっぱいだ
来年は私たちのもの
バード・トンチャイは、タイポップが好きな、私たちの味方です。
*
年末を感じた1週間
でした。クリスマスコンセプトの Billkin や、来年への希望を歌った Bird Thongchai……どれも12月、年末ならではだなぁという気がしてきました。なんだか、しっぽりするね。
来週は… "今年の"タイポップ!!
2022年も終わりを迎えようとしている今日このごろ。
より深くタイポップに関わった1年間の総決算をしたいという思いもあり、「今週のタイポップ」年末スペシャルバージョンとして「トムヤム的!今年の #タイポップ #TPOP (2022)」を決定いたします!!
といっても、話題になったものや個人的に好きなものを挙げていくだけになりそうですが……。
私の記事をきっかけに、少しでもタイポップの、ひいては音楽の世界が広がるお手伝いができればいいなぁと思い、次回も書かせていただきます。最後までお読み頂きありがとうございました。
今後も引き続き、ホットな T-POP・タイポップ情報をトムヤム視点でお届けしていきます。
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