4コマ漫画です
「タイドラマ、やはり狂ってる」ことを確認できるだけではありません。
エンターテインメントとしての面白さを全面に打ち出しながら、
性指向に揺れる青少年の心、世代間対立、さらには大学生としての人間的成長までをもしっかりと描いた当作品『SOTUS the Series』（通称:ソータス）。まじかよ、タイドラマ！
あらすじ
タイの大学には「SOTUS」というシステムが存在する。
新入生の団結を高めるため、指導という名のもと上級生が下級生に非常に厳しい命令や課題を下すのだ。校庭10周、腕立て伏せ50回、うさぎ跳び100回――等々。数々。
大学の先輩・アーティット（←人名）から指導という名目のもと超理不尽な扱いを受けるイケメン新入生・コングポップ（←これも人名）は、入学初日から
「もしお前が新入生として認められなかったらどうする？」
というパワハラ寸前の押し問答を受ける。
するとコングポップは、新入生全員の前にも関わらず
「先輩を僕の妻にします」
と宣言する……。
※念のため申し上げておくと、私は自分の感想や事実に基づいた出来事をばからしくデフォルメして書くことはありますが、
上記に関しては一切のデフォルメをしていないことをここに誓います。
登場人物
①アーティット（大学3年生）
SOTUSチームのリーダー
チームメンバーと協力して、新入生全員に対してうさぎ跳び50回、腕立て伏せ100回など理不尽すぎる命令を下す シンプルにドン引き
だが見進めるうちにどんどんイケメンで愛らしく感じてくる（本当かよ……）
②コングポップ（大学1年生）
正義感の強い新入生
🐒系イケメン
先輩の指導が理不尽で辛すぎるあまり頭がおかしくなってしまい、新入生と上級生が大集合する中アーティットに「先輩を僕の妻にします」などと訳のわからないことを言う
おまけに自分を虐げてくるアーティットを何とか自分のモノにしようと奮闘する強メンタルの持ち主です。敵わん。
以下、新入生コングポップの友達です
③男友達A（エム）
韓国みのあるハンサムボーイ 白熊っぽい
基本的にいいヤツだけどちょっとトロい
下記女友達Cのことが好き
④男友達B（ティウ）
勇気があって頼れる正統派イケメン
昔クラスにいた、真面目で素直な人気者を思い出す
⑤男友達C（オーク）
こういう人がグループに一人いてくれると嬉しいですよね
⑥女友達A（マプラン）
情報通なお喋りギャル
昼食として友達全員に韓国のりを配る（スポンサーの宣伝が上手い）
⑦女友達B（プレー）
コングポップと一緒に学内のミスコンに出場する
レズビアン
⑧女友達C（メイ）
コングポップのことが好きだが、エム（男友達A）から好かれる。三角関係じゃん！
好きな食べ物は韓国のり（スポンサーへの配慮が上手）
下記、あらすじレベルでのネタバレ有り
感想：面白ポイント3点
①新入生と先輩達の成長
あらすじを読まれた方は「ファンタジー的要素の強めのBLドラマか……」と思われた方も多いかと思います。が、当作品は違います。
「タイドラマは9割ハッピーエンド」という合言葉を裏切らず主役の二人は接近していきますが、心情描写と同じか、もしくはそれ以上に描かれているのが「人間的成長」です。
アーティットら先輩軍団は
「お前の発言は許可していない！全員校庭10周！」
とか
「掛け声が30回連続で揃うまで帰宅禁止！」
などとパワハラ上司待ったなしの命令や課題を下します。
新入生たちは当然の如く反発します。全員参加と言われた集会をサボったり、理不尽に感じた司令を無視したりする。それでも、ここがタイの大学生の賢いところ。先輩達の行動に対する疑問、「なぜこのような理不尽なことを、年下の私たちに時間を割いてまでするのだろうか？」ということを深く掘り下げる。次第に、SOTUS制度の「真意」に気付いていきます。
一方のパワハラ上司ことアーティット達も、どうすれば歳の離れた後輩たちの団結力を高めることができるのか……と必死に頭を悩ませながら指導をブラッシュアップしていきます。
しかもその優しさや気遣いが後輩たちに微妙に気付かれてしまうのも微笑ましい。
後輩たちと接しながら自らも成長していく様子が描かれ、ストーリーに厚みを加えています。
②アーティットとコングポップの関係性の変化
出会ったばかりの頃はバチバチにぶつかってお互いを挑発し合う上級生のアーティットと新入生のコングポップですが、
先輩から与えられる課題に立ち向かい熟考するなかで、コングポップは厳しさの本当の意味に気付きます。
アーティットとコングポップの気持ちが通じた瞬間は比類なき感動を覚えました。
3話くらいまではパワハラ寸前のシーンが続くため、観るのが辛くなったのも事実。
先述した通り「タイドラマは9割ハッピーエンド」とはよく言ったものですが、それを知っていてもハラハラドキドキするくらいの迫力がありました。
「明日までに先輩たちのサインを100人以上集めてくるように！」とか「食堂のテーブルに立って『僕は男が好きです』と10回大声で叫べ！」とか先輩言うんですよ？しかも新入生コングポップは従っちゃうんですよ？あまりにも可哀想で直視できない……
とはいえ、辱めを受ける青少年は興奮モノですよね面白さが勝ってしまうこのドラマ。観たい！けど観れない！けど観たい！みたいな気持ちで再生ボタンを押してしまう。玉手箱を開いたときの浦島太郎も同じような気持ちだったのかな。しかし、このドラマのストーリー展開とテンポの良さには、負けた。完敗だ。
もう、何歳老けてもいいか……、と今までにない清らかな心で、YouTubeのサジェストに従いました。
③独特なタイの文化
「SOTUS」という制度、すなわち大学において上級生が下級生を厳しく指導するというシステム自体がそもそも独特なのですが他にも
大学生が制服着てたり
タイ人の酒飲む様子や
決して体にいいとは言い切れない謎のビビットピンクの飲み物
などタイ人の生活が垣間見えて面白いです！
番外編：タイドラマの宣伝
タイドラマは宣伝が露骨で
隙あらば必ずおやつを取り出す輩が現れてスポンサーの商品を宣伝してきます
チョコレートとかポテチとかならまだ分かるのですが
韓国のりでした。こちらにも受け入れる余裕ってものがあります。さすがに韓国のりは想定外です。タイでは韓国のりが流行ってるんだと信じてたあの頃の純粋な気持ちを返して欲しい。
最後に：BLを待望するあなたへ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
BL好きのあなたには刺さる感想ではなかったと思います。しかし、「主演二人の絡みこそがドラマの楽しみである」という人ほど、当作品は観るべきです。
人間的に成長した二人の恋愛は、熟れた柿のように甘く、極上です。他の作品では見られません。
SOTUSを観たわたしたちだけの、秘密です。
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【追記】
あんたもかい！！！
おすすめ度：【★★★★★】
最初の画像の出典：【紹介動画】シントーって、誰？ : Who is Singto?【タイドラマ主演】 - YouTube
